2018年1月19日金曜日

アクリル画を勉強中です



・今回の投稿は、昨年9月からトライしている、「アクリル画」(*1)が3枚完成しましたので、その写真を掲載いたします。
・アクリル画は、「絵画教室」の先生から教えていただいていますが、水彩画と異なり(描く手順が全く異なる)、まだ慣れていないため、完成までの時間は、水彩画の数倍もかかっています。
・今回投稿の3枚のうち2枚は、高名な画家:和田英作(*2)のもとの絵の写真(先生から勧められて選んだ)をもとに、練習として「模写」したものです。(初心者は、まず「模写」から始めるようです)

*1:「アクリル画」

アクリル絵具は、生まれてから70年余りの歴史があり、油絵具や水彩絵具に比べると新しい画材です。アクリル絵具は、水で溶いて使うため、「水彩」ともいわれています。
絵具は、「顔料」に「展色剤(バインダー)」を加えて作られますが、アクリル絵具の展色剤は、「アクリル樹脂」が使われています(水彩絵具の展色剤はアラビアゴム)。
アクリル絵具は、油絵具のような持ち味があり、仕上がりは、油彩画と同じように見えます。このアクリル絵具は、速乾性があり、油彩と同様に描いた上から何回も修正が可能です(水彩絵具は、一度塗ったら修正は難しい)。

*2:「和田英作」

和田英作(1874ー1959)は、鹿児島県出身の洋画家、教育者。「日本近代洋画の巨匠」といわれる。東京美術学校(現・東京芸大)校長、文化勲章受章者。晩年、静岡市清水区三保へ移住、84歳でこの世を去るまで、刻々と変化する富士山を描き続けた。

1.絵の勉強の状況

3年ほど前から、水彩画を始めましたが、少しずつ変化があります。その状況は、次の通りです。自分に合った画風を見つけて、一定のレベルに達するまでには、しばらく試行錯誤が続きそうです。

(1)「スケッチ倶楽部」

「スケッチ倶楽部」は、この地域の交流館(公民館)に所属するサークルで、2014年7月に入会しました。会員約10名。月2回。冬季を除き野外でのスケッチ(冬季は教室で静物画)、作品展は、市内の3か所(各年1回)で実施しています。このサークルは皆、水彩画ですが、私は、昨年後半から、絵画教室で習った、「透明水彩+不透明水彩」という描き方をしています。なお、市内の多くのサークルは殆ど透明水彩です。

(2)「絵画教室」

近くの「絵画教室」には、昨年1月に入会。月2回。この教室は、水彩画から油彩画まで、一般と美術大学の受験性が対象で、先生は、東京芸大出身の方で、丁寧に教えてくれます。一般対象のクラスは、数クラスあり、各クラス数名。殆どの方が油彩画(アクリル含む)で、水彩画は少数です。私のクラスは、5名ですが、私を除き油彩画です。皆、上手で毎回刺激を受けており、その影響もあって、9月からアクリル画にトライしています。

以上で描いた絵は、1~2点を選び、作品展に出しています。また、このブログに投稿するのも「励み」になっています。

2.最近のアクリル画:3点

最近描いたアクリル画3点を写真1.~写真3.に掲載します。

(1)写真1.「黄衣(こうい)の少女」(模写)

和田英作の作品である「黄衣の少女」は、1931年帝展出品作(油彩、サイズ:78.7x64.1cm) で、「黄色いワンピースに小麦色の肌。赤い壁紙を背にした、凛としたまなざしの少女」といわれています。
この絵の写真をもとに、先生にすすめられ模写したものです。キャンバス使用、サイズ:F10(53x45.5cm)。初めてのアクリル画で、まなざしの表現が上手くいかず、数回描き直ししました。先生に少し応援していただきましたが、自宅で描く時間が殆どで累計40時間ほどかかりました。
もとの絵と比べると、どこか違っていて難しいと感じました。
(もとの絵は、「黄衣の少女」で検索すれば見られます。)

(2)写真2.「七里岩と釜無川」

昨年10月末に山梨県韮崎市の「七里岩」へ、スケッチ倶楽部で日帰りバスでスケッチ旅行に行きました。この時の透明水彩画と写真をもとに、自宅でアクリル画として描いたものです。アクリルボード使用、サイズF8(45.5x38cm)。
七里岩は、20万年前、八ヶ岳が噴火したとき、その時できた裾野が、以後川に侵食されて、岩が露出したとあります。この岩と山の景色は、距離にして七里(約30km)にも及び、その下を釜無川(富士川の上流)が流れています。
紅葉がまだ始まったばかりで、残念でした。

(3)写真3.「静物画」(模写)

和田英作の「静物画」(題名、サイズ不明)の絵(写真)を模写したものです。
このアクリル画は、仕上がるまで約20時間でした。因みに、水彩画ならば、10時間程度で完成すると思います。
アクリルボード使用、サイズF6(41x31.8cm)。
背景の色に苦心しました。やはり巨匠の絵は、構図が素晴らしいと思いました。

<付録>

最近、スケッチ倶楽部の教室(4階)から撮った、雪で化粧した富士山の写真を掲載します。冬の富士山の景色が最もきれいだと思っています。




写真1.「黄衣の少女」(模写)


写真2.「七里岩と釜無川」



写真3.「静物画」(模写)




<付録> スケッチ倶楽部の教室より

9 件のコメント:

  1. 豊島様、アクリルが初めてとは思えない程ですね。水彩を続けられてきたからでしょう。
    人物が、腕の感じやクッションが上手く書かれていますね。
    パッと見て、風景画が1番気に入りました。岩山がそれなりに描かれています。
    良いお仲間と切磋琢磨出来て良い環境ですね。

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    1. コメントありがとうございました。私は、静物画、人物画より風景画の方が好きで、野外スケッチ(水彩画)を楽しんでいます。野外スケッチで描いている時間は、4時間くらいですが、時の経つのも忘れるくらい集中しています(無心の境地?)。しかし、水彩画は、様々な描き方があり、まだまだ勉強中です。

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  2. 今までブログに投稿された絵を最初からゆっくりもう一度拝見しました。そして途中から更に「絵画教室」にも入会されたToyoshimaさんの気持ちも分かる気がします。今回初めてのアクリル画、素晴らしく上手ですね!初めての作品とは思えません。技法が変わっても今まで培った基礎があるからこんなに描けるのでしょう。「黄衣の少女」をもとの絵と比較してみました。云われる通りどこか違いますね。まなざしの表現は難しいでしょう。もとの絵は視線が少し下向き、Tさんの絵は視線が少し上向きの様に思えます。模写しても必ずしも同じである必要はないと思いますが!もとの絵は柔らかい感じ、Tさんの絵はむしろ力強く描かれ少女の意志の強そうな感じが伝わります。ブログ初期の頃の絵は優しい感じでしたが、今回の3点は力強く感じます。あまり分かっていないのに長々と書いてしまいました。良いものを観させていただきました。富士山の写真は三保の松原からよりこちらの方が人間の営みとの対比が分かり好きです。これも良い写真ですね。(A.Ishii)

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    1. コメントありがとうございました。熱心に見ていただいてありがとうございます。「黄衣の少女」のもとの絵(写真)をアップしようしましたが、うまくいかず、お手数をおかけしました。瞳(眼)の向きが微妙でうまくいっていないようです。アクリル画は、絵具を何回も重ねて塗ることができますので、仕上がりは力強い感じになるようです。アクリル画の方が水彩画より易しいという人もいます。しばらく、アクリル画にチャレンジです。

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  3. 初めてのアクリル画としては上出来じゃないですか。「黄衣の少女」の模写から始めたと聞いて、50年位前にルーブル美術館に訪れた時に、薄暗い中で画家志望の青年たちが自分の目指す作品の前で、懸命に模写していたことを思い出しました。多くの異国人の中に日本の青年も結構いましたね。邪魔しない様に覗くと本物と見違うほど上手に描いていました。
    「黄衣の少女」ですが、石井さんの指摘の通り伏し目がちにした方が、絵そのものの雰囲気が柔らくなると思います。そして、向かって右側の頬をふっくらと感じさせると、口元の結んだ状況も利発で芯の強い性格が感じ取れると思います。自分では描けないのに偉そうに感想を述べて申し訳ございません。「スケッチ倶楽部」「絵画教室」とアグレッシブにチャレンジしている豊島さんには、いつもながら感心ているところです。

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  4. コメントありがとうございました。「黄衣の少女」については、大島さんと先の石井さんのご指摘のように、まなざしの表現が上手くいっていないようです。ここがポイントと思い、数回描き直しを試みましたが、技量が届きませんでした。また、いつか技量が上達したら描き直してみたいと思っています。因みに、よく展覧会で見る大きな作品(幅1.5~2mもある)は、完成までに、3か月もかかると聞いたことがあります。

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  5. 豊島さんの絵画に対する熱心さに感心しています。また皆さんのするどい指摘のコメントにも感心しています。小生には、「絵」を批評する力もありません。少女の模写に40時間も費やす根気強さにすごいなと思います。何はともあれ、集中できるものがあることはすばらしいことだと思います。小生も見習いたいです。

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    1. ・コメントありがとうございました。絵を掲載するたびに、いくつかの感想やアドバイスを頂いています。これらはみな、なるほどなと思っています。、今後の「励み」になっていて、ありがたいことだと感謝しています。
      ・絵を描いている時、絵に集中するため、何もかも忘れて、時の経つのも忘れるほどです。楽しい一時です。

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  6. PCが置かれている部屋が寒いので、ここのところ離れていました。絵のほうは、自分でもうまいなあと思うようなものを描いた覚えがありません。絵画に没頭できる趣味をお持ちの方を羨ましく思います。今度のアクリル画も以前とはまた違った趣きですが、豊島さんの個性が反映されて素敵な仕上がりになっているのではないでしょうか。お元気でまた次の作品もご披露ください。

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