2021年4月13日火曜日

看護師さんの助言からどんでん返しで胃を切らずにESDで腫瘍を切除   imasan

 2019年2月16日に胃の調子が悪いことから胃の内視鏡検査を受けた。その結果、自己免疫性胃炎と診断された。ビタミン12が不足し胃の抗体が自分の胃壁を攻撃すると言う。それで、ピロリ菌の検査や血液検査を受けた。

最終的に、治療はビタミン12を毎日2錠飲むことだった。次回の内視鏡検査は1年後となった。ただ、ビタミン12が正常値に入るなどしたためか検査が延び延びになった。

昨年9月、3か月毎に診察を受けている担当医に内視鏡検査をして欲しいと申し出た。ところが、コロナの時期だからやらない方が良いだろうと言われ、話は終わった。

それが、12月10日の診察時、担当医の方から内視鏡検査をしましょうと言いだした。東大の先生が自己免疫性胃炎患者の胃壁のサンプルが欲しいと言うことだった。病院の方針転換もあったのか、頼んでいない腸の内視鏡が4年前なのでこちらを先にやろうと言いだした。他に血液検査などして欲しい検査はないかという。経営上の問題かとも思ったが、一方で怖い気もした。

腸の内視鏡は、1泊2日で1月5日に受け、小さなポリープ3個を切除した。

後回しとなった胃の内視鏡検査は2月12日に受けた。その結果、腫瘍が見つかった。先生も私も思ってもみなかった、それも、丸形でなく異形で大きかった。後の病理検査で明らかになったが、がんと診断された。

それからバリューㇺでの胃の検査、造影剤を使ってのCT検査、最後に、内視鏡手術担当医と担当医による超音波内視鏡検査をに受けた。結果は、内視鏡での手術は出来ず、腹鏡下での外科手術と言われた。また、年齢が気になると言われた。

結果を受けて、友人や家族から、もっと大きな病院で手術を受けてはどうかと言う心配や助言が何度となくあった。それで、滋賀県、京都府の病院の手術の実績、がん指定病院かなど調べた。

がんを患った親戚、友人の助言から京都府立医大は、3人の医師が連携し手術治療に当たると説明を受けた。しかし、遠いことが難点で県内の病院を調べることにした。

私が調べて選んだ大津日赤や滋賀医科大学付属病院などでは、年間60件ほどの胃の手術実績がホームページに記載されていた。また、両院とも滋賀県のがん専門連携病院である。また、該当する消化器も消化器内科と消化器外科に分かれ、更に、上部(食道や胃)と下部(腸や脾臓、肝臓)にも別れており、それぞれ専門医がいる。この違いは大きい。

検査を受けた病院では、消化器科も外科も臓器による区分はなく、腸などの下部の手術がメインと判断した。実績も病院のホームページを調べたが出てこなかった。

言いにくいが、直ぐに担当医に会い、上記2つの病院のどちらかで手術をしたいと申し出た。担当医は、滋賀医科大学付属病院の内科の教授を知っているので、ここにして欲しいと言われ了解した。直ぐに電話をされ、後日、紹介状を書いてもらうことになった。

翌日電話があり、3月4日に予約した午後に紹介状を取りに来るよう電話で連絡があった。余りの早い動きに驚いた。ありがたいとも思った。

3月4日、初めて滋賀医科大学付属病院を受診した。面会したのは、消化器外科のトップの教授だった。先生から、自己免疫性胃炎でビタミン12不足、がんは幽門側にあると絵を描かれ、まず、転移を調べるためにPETの検査をすると言われた。お腹を見せないと言われ触診を受けた。痛いかと言われ全く痛くないと答えた。立ち上がったら、全摘と聞いているかと言われた。余りな事に言葉を失った。実際の担当医を決められ。指示に従うことになった。

先の病院の判断で、新たな病院がそのまま手術をすることに疑問を抱いた。先の病院で、私は胃の3分の1、家内は3分の2と聞いているので何故全摘かと訝った。

全摘は、今後の生活に支障がある。

それで、新たな病院に電話をし、先日会った教授に「胃は全摘でなく3分の1を切除と聞いている」と受付に伝言を頼んだ。すると消化器外科の看護師を呼んで来るから待って下さいと言う。電話口に出て来た看護師さんに上記を伝えた。すると「自分の意思を先生にはっきり伝えて下さいね」と何度となく言って貰った。「カルテに3分の1にして欲しいと書いておく先生にも伝える。連絡したら来ますか」と言うので行きますと答えた。この様な患者に寄り添った看護師さんが居らることに驚くとともに勇気が出て来た。

これが、今後の新たな道を開いた。

電話切って暫くすると再度電話があり「今から来れますか?先生が会ってくれる」と言う。3月11日のことである。

病院に行き担当医と合った。看護師さんに言われた様にこちらの思いを伝えた。先生からは、「全摘だと段々と痩せて行くと言う。また、病理の専門家から自己免疫性について聞いてきた」と言う。用紙に胃の絵を描かれ2分に1をとったとして、「がんになりやすと言う残りの胃壁がどうなのか知りたい」と言われた。4月初めに手術をしたいと言う先生の決断は早く、3月15日に内視鏡で調べてもらうことになった。

これが、一つの大きな流れの変化を呼んだ。

3月15日までの間に、PETによるがんが転移していないか検査があった。この検査で思ったより何故かかなり疲れた。結果は他への転移はなかった。

3月15日、消化器内科の助教授による胃がんの内視鏡検査を受けた。疲れているので、出来るだけ簡単にと言ったら、外科の先生から良く見る様に言われていると答えられた。麻酔なしの検査は長きにわたった。医療用の青い染料を何度も入れられ散布された。他の内視鏡部屋から沢山の若い医者達が画像を見に寄って来た。

終わって直ぐに医師から説明があった。

「以前より腫瘍が小さくなっている。内視鏡で取れたら良い。前の時の広がりが減っている。深い感じが無くて、深さを調べるためにEUSをしたい。」

EUS内視鏡検査を受けることを了承。30分休んで始めると言う。

疲れてはいたが、検査を受けた。その結果について先生(助教授)から詳しい説明があった。

「そんなにめちゃくちゃ悪くない。超音波で深い所まで行っていない。内視鏡でとってみて、それから手術の二段構えとしたい。ESD・粘膜下層剥離術でとる。」

続けて、下記の詳しい説明があった。

「見せてもらってとれない腫瘍ではない。難しい所、根深いととれない。ここであれば良いでしょう。」「一週間入院。3月末ぐらいで段取りしましょう。」

ここから専門的な説明がされた。

「早期がん。潰瘍はない。大きさ3cmまで。分化型。リンパ節転移OK。」それから手術の詳しい説明がされた。「腫瘍の周りにメスで穴を明けマーキングする。腫瘍の下に薬剤を注入し切り取る部分を浮かせる。メスで切り取る。切り取られた部分の血管からの出血を止める。胃にへこみが出来る。」

以上説明されたら、早速、この手術を受けますかと聞かれた。願ってもないことで受けると答え手術承諾の用紙にサインをした。あーっという間だった。

これで、外科手術は当面なくなった。

3月24日にPCR検査、25日に入院、26日にESD手術を受けた。東ちづるさんと同じ手術だった。術後に施術医から切り取った4cm×6cmの楕円のがんを見せてもらった。

ただ、手術中に傷口から感染し10日間苦熱に悩まされた。熱が下がった11日目の4月4日に退院した。ただ、再度の手術が必要か心配もあった。

4月12日、病理検査の結果が出て診察に病院を訪れた。

先生から検査の結果、「リンパにも転移がなく、問題なくがんは切除された」と言うことでした。良かった! 後で話されたが、先生も一抹の心配をしておられと言うことである。

勿論、前記看護師さんに会ってお礼を言って帰途についた。

今回は、何人かの人々、友人、看護師さん、先生の助言と判断のお陰と、納得いくまで調べた自分の意志で幸運にも難局を切り抜けたと強く思った。それで、皆様の参考にでもなればと、この記事を書いた次第です。