2021年7月24日土曜日

最近描いた絵(13) Seiji Toyoshima

 長い梅雨が明けて、暑い日が続いています。相変わらず、絵描きと太極拳を続けています。      

今回の投稿は、最近(5月~7月)描いた、アクリル画5点(写真)を描いた順に掲載します。

また、最近、(初歩的なことのようですが)絵の描き方のうち、構図について心掛けていることも記します。


1.絵の構図についての考え

(1)いきさつ

・絵は、構図により見栄えが大きく変わってくるので、構図をどうするか準備が必要です。最近、絵の構図についての考えに一つの転機が訪れている(やや大袈裟ですが)と思っています。

最近、風景画を描いていると、絵画教室の先生から、絵の中に人物像を追加したらとアドバイスを受けます。7年前に交流館のクラブで水彩画を始めてから、専らモチーフをそのまま写実的に描いてきましたので、先生のアドバイスには違和感を覚えていました。しかし、実際風景画の中に人物像を追加して見ると、そこに別世界が広がり、見応えのある絵になることを実感しています。

また、県の作品展に出品する上級者の長期にわたって描いているサイズ100号(サイズ、1.6mX1.1m) クラスの絵を見ると、複数の画像を組み合わせた(創作性あり)作品にしているのを見かけます(構想3か月、絵描き3か月ともいわれます)。

・そこで、一年ほど前の新聞投稿記事※1 を改めて読むと、江戸時代の有名な画家も、複数の景色(リアリズム ※2)を組み合わせて、全体を巧みに融合させ、素晴らしい絵としていることがわかりました。この解説が暗示となり、転機の始まりとなりました。


※1:新聞記事(2020年2月)の要点

(題名)「虚構とリアリズム融合

・葛飾北斎(1760~1846)の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」についての解説。

「現実には到底あり得ない、海上の巨大な波に、江戸に鮮魚類を運ぶ押送舟は翻弄され、今にも海中に呑み込まれそうである」、この絵は、①押送舟、②せり上がる大波、③鎮座する富士山の三つで構成されており、「虚構とリアリズムが見事に融合した大胆かつ緻密に計算し尽された画面である」とあります。

この絵は世界的に有名ですが、複数のリアリズム(三つの景色)を一つの絵(虚構)としてまとめたものと考えられます。

※2:リアリズム」

リアリズム(写実主義):現実をありのままに模写、再現しようとする芸術上の傾向。その描き方は、現実をありのままに、主観による改変・装飾を排して、客観的に観察し、ありのままに描き出す技法(19世紀中葉、ヨーロッパに興った)。(辞書より)


(2)絵の構図についての二つの描き方(プラス法とミックス法)

今までの絵の描き方は、リアリズム(写実主義)の描き方が殆どで、絵といえばリアリズムと考えていました。しかし、絵画教室での影響などから、リアリズムを発展させて何らかの改変を行った、描き方があることを認識するようになりました。

その描き方は(勝手に私が定義しました)①プラス法、②ミックス法 です。

①「プラス法」:写実の絵に中に、人物像などを追加する描き方。(小規模改変)

「ミックス法」:ある意図をもって(想像力必要)、複数の実際の景色を再構成して全体的に融合を図り、美しい絵を作るという描き方。

今後、これら二つの描き方を意識しながら、描いていこうと思っています。

いつか、ミックス法で想像(創造)性豊かな絵を描いてみたいと思っています。


以下、最近描いた絵5点(写真)を掲載します。

なお、5点とも、アクリル画で、サイズはF6(41X31.8cm)です。


2.「公園散歩」:写真1.

近くの公園の登り口付近の風景です(5月)。小さな橋の両側の大きな木は、八重桜です。沢山あるソメイヨシノの桜が散った後に咲きます。親子の散歩の姿は、他の場面の写真を参考に描き加えたものです(プラス法)。この追加により、雰囲気が変わってきたと思います。

写真1.公園散歩


3.「花菖蒲」:写真2.

先に「花菖蒲が見頃です(6)」を投稿しましたが、その中の花菖蒲をいくつか取り出し、並べて描いたものです。この畑の花菖蒲は、10種類ほどあります。「ミックス法」を試みましたが、全体的には写実的になっていて、雰囲気があまりないようです。

写真2.「花菖蒲」


4.「へら鮒釣り」:写真3.

近くの公園には、大小二つの池がありますが、小さい方の池で、終日のようにへら鮒釣りをする人たちを見かけます。なかなか釣れないようですが、たまに釣り上げたところをみます。大きさは、20~30cmくらいで、すぐリリースしています。

故郷で小学生の頃は、よく川釣りに行きました。また、こちらに来てからは、海岸からの投げ釣りに時々行きました。キスなどがたまに釣れるくらいでしたが、太平洋を眺めて、潮騒を聞いているとよい気分転換になりました。

プラス法で、人物は、他の場面の写真を参考にして追加しました。

写真3.「へら鮒釣り」


5.「錦鯉」:写真4.

公園の大きい方の池に立派な水上の四阿(あずまや)があります。ここから、水面に浮かぶ蓮や、餌に集まった錦鯉をカメラで何枚か撮り、この二つを組み合わせるというアイデアで描いたものです(ミックス法・・・少し考えたつもりです)。

錦鯉は鑑賞用に改良した鯉で、黒色以外の色彩があるものをいうとあります。大きさは70cmくらいと思われます。黒色の鯉も沢山見えました。

写真4.「錦鯉」



6.「オニユリ」:写真5.

庭に咲いていたオニユリ(鬼百合)です。オレンジ色で明るい印象です。花言葉は、「華麗」、「愉快」、「陽気」、「賢者」などがあるようです。そのままの写実的な絵です。

写真5.「オニユリ」