2024年7月14日日曜日

私の人工透析治療生活(5)   A.Ishii

すっかり 常態化した通常透析治療を続ける日々です。 透析中は腕がしびれたり、 足がつったりして辛いのですが、 それが終われば 老人ホーム「ライフケアガーデン熱川」で幸せに暮らしています。

「1」クレアチニン (I/Net抜粋)

クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されます。血中のクレアチニンの濃度が上昇していることは 腎臓の機能が低下して十分にろ過出来てないことを意味します。 クレアチニンが高い値を示す場合、 腎臓に何らかの異常があると言えます。 急性腎臓病、 慢性腎臓病、 心不全、 などが疑われます。 クレアチニンの検査は腎臓の機能を調べる上で ポピュラーな検査ですが、数値は筋肉の量に左右されるため男女差が大きく、 また腎臓の機能が半分程度まで低下しないと高い値を示さないという欠点があります。 そのため 近年ではより精度の高い検査である推算糸球体濾過量(eGFR) の検査を追加して行うことが多くなりました。    

注記:推算糸球体とは「毛細血管の集合体」 


「2」クレアチニン値の推移

クレアチニンの推移をたどると、私が人工透析への道をまっしぐらに進んだ様子が、手に取るように分かります。 言うなれば、なるべくしてなった人工透析治療生活、自業自得と言えます。


グラフの見方

 1)血液検査を行った病院は  豊寿園病院( かかりつけ病院)、西伊豆病院(緊急透析治療対応可能)、熱川温泉病院( 通常透析治療のみ)の三つの病院です。

2)横軸は期間を表しますが、 左の方は 9年間を圧縮して記載しています。 右の方は1ヶ月に2回 血液検査をしており、その検査結果をすべて記載しました。( 歯抜けもあります)


今までの経緯

①2020年以降、豊寿園病院の M 医師から クレアチニンが高いので 専門医で診察を受けることを強く勧められました。更に 医師は、体重を減らせ、 塩分を減らせ、 醤油は ちょこっと、と執拗に云いました。

②2022年 M医師 は 透析の段階である。現在腎臓を回復する薬はない。人工透析治療を受けるか、腎臓移植しか、腎臓を救う道はない。と 強力に勧告してきました。 

③2023年6月に 私は 呼吸が苦しくなり、 急いで外に出て深呼吸をすることがありましたが改善しないままです。 そしてついに歩行も困難になったのです。

④2023年6月末 役場へ 這いずるようにして行き、 持ち回りで介護認定をしてくれる様に依頼し、何とか助けて欲しい、と頼み込みました。役場の担当者、U嬢は親切で私の窮状をすぐ理解してくれました。

⑤2023年7月初め、介護認定を前提にして、役場の紹介で老人ホーム「 ライフケアガーデン熱川」に入居しました。

そして、翌日隣接する 熱川温泉病院で診察を受けたのです。 診察にあたったF 医師から、このままではすぐ死ぬ。どうせ死ぬのなら透析治療を受けなさい。と言われました。そしてF医師は緊急連絡先の私の娘に自ら電話をして、緊急入院と治療の了解をとりました。

そして即刻救急車でその日のうちに 西伊豆病院へ送り込まれたのです。これから先はすでに書きました様に Y医師により、首から穴をあけ緊急透析治療の処置がとられたのです。


考察 

1) かかりつけ M医師から長期にわたり 注意とアドバイスを受けながら、自分の 踏ん切りの悪さから有効な対策が取れなかった。

2)クレアチニンは 2023年(赤矢印部分)に 急増した。その結果自分で動くことが困難になった。診察した F 医師にすぐ死ぬよとまで言われた。

3) 緊急処置で上に伸びる グラフを一気に横倒しにして、 何とか一命を取り止めたことがわかる。これは西伊豆病院の Y 先生の素晴らしい処置のお蔭と思います。

4)通常の透析を開始した 初期の頃(青矢印部分)、 クレアチニンは思うように下がらず 右肩上がりの傾向に、H医師は 透析時間を3時間から3.5時間に延長した。その後 一応 並行を保っているように見えるが 今後どうなるか予断を許さない。


 クレアチニン は 透析で下がる


私の透析前後のクレアチニンの値のグラフです。個々のデータは省略しますが、透析前の平均値は 8.8 透析後の平均値は 4.3 です。

 従って平均値ベースで  (8.8 ー4.3) / 8.8 = 51.1%    です


すなわち透析をすればクレアチニンは半減しています。 もちろんこの減少率が満足できなければ、透析時間を伸ばしたり、 血液の流量を上げたり、することが必要になります。


つまり大雑把に言えば 8.0 ぐらいある クレアチニンを1回の透析で4.0ぐらいまで減らします。 しかし 中1日置いた 次の透析日までには、また元の8.0 ぐらいのクレアチニンの量に戻っています。 それをまた透析で4.0まで下げるわけです。 すなわち 同じことの繰り返しです。 透析をやめれば当然 クレアチニンは一気に増えることになります。ですから必死になって 透析でクレアチンを除去しているのです。

何やら ドライウェイトの話と似ているようなところがありますね。 

私の場合 クレアチニンが4.0から8.0の間を行ったり来たりしてるのは、健常者(基準値 0.61~1.04)に比べると とんでもない 高い 深刻なレベルでやっていることもご理解ください 。


クレアチニンは 透析で下がるがまた元のレベルまで戻る。 ということになります。


「3」eGFR


eGFR は腎臓の機能がどの程度あるかを示す値です。厳密に言うと eGFR は腎臓の糸球体という、

不要な物質と必要な物質を分離する腎臓のフィルターが1分間に処理している血液量を示しています。

つまり フィルターが目詰まりしたら 流動が減ることになるでしょう。 ですから 流量が多い方が

フィルターの機能が良い状態にあると判断される。と思います。


私なりに今少し クレアチニンと  eGFRの違いについて考えてみました。両者の単位は、クレアチニン

mg/dl(重さ)であり、eGFR は mL/min(体積)で全く異なる特性であると考えます。



eGFR 値 は透析で上がる





平均値ベースで1.3倍に改善されて います。


慢性腎臓病はその進行度によってステージ1から5段階に分けて、そのステージに応じて 診療計画が立てられることになります。理由は分かりませんが ステージ3は a とb に分かれています。

詳しくは下記参照ください。 ちなみに私は完全にステージ5で、末期的腎不全です。






「4」私の問題点

1)クレアチニン棒グラフを参照してください。 直近の 7月(赤線のところ)は 6月に比べ クレアチニンの減少率が (平均51.1% ➡  7月は 39.4%) 非常に悪くなった。 つまり 現状の透析条件では クレアチニンの除去率が悪くなる可能性が大きい。

2)eGFR の 棒グラフを参照してください。3月から 直近の 7月まで(赤線のところ)は 現在の透析条件では、 eGFR の改善能力が右肩下がりで減少する可能性が大きい。


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 4月10日の 回診でH医師から 透析時間を現在の3.5時間 ➡ 4.0 時間に変更するかもしれない。

と言われた。このことは理屈としては全く妥当な処置と私も納得します。しかし これは私には気分的に歓迎できない変更で、 大きな問題点である。 そして暗澹たる気持ちになったのです。



            *****  おわり  *****        



6 件のコメント:

  1. 腎臓を患うと投薬では手に負えず、人工透析治療か腎臓移植しか手が無いのは過酷ですね。京都大学の山中教授が携わっているips細胞による解決策は話題にもなっていませんね。政府は下らないところで浪費(東京オリンピックや大阪万博等)しないで最新医療の確立に熱心に取り組んで欲しいですね。
    石井さんのレポートでクレアチニン値に一層真剣に取り組まないといけないと気を引き締めています。塩分を減らしているんですが1.07辺りで止まっています。医者は水をたくさん飲んで流してしまえというのですが・・・・。
    石井さんは1ヶ月2回採血検査されているようですが、私は2ヶ月1回採血検査をしています。お互いに頑張りましょう。貴重な情報を有難うございました。

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  2. いつも早々と コメントいただき 、ありがとうございます。
    おっしゃる通り 腎臓病の治療法の研究は進んでいないと思います。透析に替わる画期的な治療法が開発されたらノーベル賞ものだと思いますが!
    政府は無駄遣いせずに 本当に為になる施策をやってほしいですね。
    私の採血は透析中にほんの少し 血液を取るだけで簡単です。 医師の指示で2回/月行われます。貴殿は1回/2ヶ月とのことですが、 健常者としては十分ではないでしょうか。 それから クレアチニンが1.07も素晴らしくて、私からすれば 羨ましい限りです。 真剣に 健康管理に取り組んでおられる様子が分かります。 血圧の方はいかがですか? 私は8回/日、 血圧測定していますが、 条件によって測定値が ばらつき、わからないことばかりです。 お互いに これからも健康に留意して楽しく暮らしましょう。 今後ともよろしくお願いします。

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  3. 石井さんのブログを書くエネルギーはどこから来るのでしょうか、健常者でもでもこれだけのことはなかなかできないでしょう。それは命と向き合っているからかと推察するしかありません。命と向き合うと言えば、担当されているM医師、F医師、Y 医師もそうです。第三者が聞くとドキッとするような表現が飛び交っています。お医者さんを志すかたがたは、やははり志が違うのかなと思っております。
    当方は前立腺肥大のためか頻尿がはなはだしく、薬では治らないので手術を受けようかと考えております。次元が低いですが、それなりに悩んでおります。
    石井さんには、とにかく頑張っていただきたいと祈念しております。
                        安楽岡弘久

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  4. コメントいただきありがとうございます。
    頻尿で悩んでおられるとか。 私も一時 頻尿で外出するのも億劫になった経験があります。ですから貴兄の苦しさ、 鬱陶しさがよく分かります。 高齢になると病気知らずとはなかなか行きませんね。どうかくれぐれもお大事にしてください。
    私がブログを書くのは、自分が晩年にどう生きたかを書いたもので子供達に伝えたい気持ちからです。 エンディングノートの最後に 老人ホームと透析の記録として 付け加えたいと思っております。 これからもどうぞよろしくお願いします。

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  5. クレアチニンの説明有難うございます。私は、G3bランクですね。
    私は、当地の滋賀病院の腎内科で2014年から3か月毎に1度、血液検査を受けてきました。そのデータが残っています。
    1.08mg/dLから始まって基準値を出たり入ったりで2023年3月1.01、12月1.15mg/dLでした。今年2月1.28mg/dLと上昇しました。美味しいので甘めのキムチをうどんに入れたりし食べていました。
    それ以降は、キムチを止めました。しかし、4月の検査でも同じで値だったので首をかしげました。
    新しく代わった先生は、eGfrが41.1/100なので問題ない。10/100ならば透析と話され、問題ないと言われました。
    最近は、検査で1日前の塩分量が分かり、7.7gでした。採らなかった積りがこの値で塩分制限の難しさを知りました。

    昨年、安楽岡のメールでクレアチニン値は1.23mg/dLと聞きました。
    頻尿を何とかとしたいと考えられていて、余り塩分は気にされておられまい様でした。この年だから大丈夫かもしれません。
    肥満とか糖尿の影響が大きいかもしれません。
    今は亡きカラオケ仲間は、糖尿病を気にしていましたが、腎臓は全く気にしていませんでした。ある時、体重が20kg増え透析で減らしたと言って、その後、透析が始まりました。この様なある日が怖いです。

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  6. ブログ読んでいただきありがとうございます。貴兄は腎内科で定期的に血液検査をされておられるとのこと。そして腎臓病のことを十分理解されて 管理状態にあるので素晴らしいですね。貴兄は 昔から塩分量に強い関心を持っておられ、 医師からもeGFR、問題ないと言われておられ、 私からすれば 羨ましい限りです。 私の場合は無知と不用心の結果、 なるべくして自ら招いた腎臓病で、今更悔やんでも遅いです。貴兄のクレアチニン、 eGFR の値と比較すると、 私の それらは桁違いで 私は末期的です。 それから 糖尿病はいけませんね。 何年か時間が経ってから腎臓に悪影響をするとか、聞いたことがあります。
    ブログ 今後もよろしくお願いします。

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