2018年3月15日木曜日

般若心経の写経<復元版>

2月初めに、私の過去の投稿記事3件が、ブログ上で「不表示」になっていることに気付きました(2018.3.2投稿の「般若心経について(その2)」の「追記」参照)。そこで、原稿などをもとに復元することにしました。この投稿は、2017.2.20投稿「般若心経の写経」の復元版です。なお、「コメント」は、復元できませんでした。                                   
    
<以下、復元版>       
私の般若心経の写経は、2年ほど前から毎朝のルーティンとして少しずつ続けています。その写経が2年ほどで50枚を超えました。そこで、今回の投稿は、般若心経の写経についてです。    
    
1.写経について       

①経緯       

・写経は、奈良時代ころから、修行のためや、病気平癒など祈りや願いを目的として始まったといわれています。自宅近くの禅寺では、月1回の写経の会があり、いつか参加したいと思っています。    
また、写経を通じて、般若心経を理解したいということも写経を始めた動機です。    
・2年ほど前に書店で写経の練習帖が数種類並んでいて、その中で目に留まったのが、『ボールペン「  般若心経」練習帖』(枡野俊明 監修、河出書房新社)(以下、「練習帖・A」という)で、これを購入し、写経をスタートしました。
 
・スタート時からの経緯     
 ①練習帖・Aで筆ペンを使ってスタート(2014年11月)    
 ②毛筆による写経をしたいと思い、「写経セット」を購入、このお手本により写経(2015年2月~)    
 ③本格的な書家による、「般若心経[写経]練習帖」(小松庸祐/著、安田東鶴/書、西東        社)(以下、「練習帖・B」という)をお手本(書写体)として使い、継続中(2016年1月~)    
 上記の②、③の毛筆での写経枚数が、この2月で57枚になりました(一日に2行を書写し、月に約2枚完成)。最近の書写を見ても、細かい点でまだまだで、更に続けようと思っています。    
・練習帖、道具、書写した完成品などを写真1~写真6 に示します。    
    

②写経について       

写経について、練習帖・Aから引用します(抜粋)。    
 ・写経とは、お経をそのまま書き写すことで、一文字一文字心を込めて書き写すことに意味があります。    
 ・般若心経は、日本人に最も親しまれてきたお経です。 ・般若心経には、この世を生きるための智慧が凝縮され、非常にありがたいご利益があります。    
 ・般若心経の教えが人生を導く力となるでしょう。    
    
 また、写経の際、心がけるべきことは、「上手に書こう」と思ったり、「早く書こう」とあせったりせず、今書こうとしている一文字に集中すること(これが無心になることです)」。とあります。一日に2行(34文字)の写経ですが、集中すれば、終わった後すっきりした気持ちになります。    
    

2.般若心経について       

・その日の写経後に、練習帖・Aの2行分・34文字(般若心経全文は276文字) に相当する、「解説」、「今日のヒント」(法話)を読んでいます。写経の都度読んでいますので、繰り返し何度も読んだことになります。読むたびに新しい発見があります。般若心経は、奥が深く、難解ですが、この「解説」は、わかりやすく、得られることが多いと思っています。以下に①「般若心経とは」、②「練習帖・Aを読んでの 感想」を記します。    
    

①「般若心経とは」 (練習帖・Aから引用します)       

・般若心経の「経題」:「摩訶般若波羅蜜多心経」の訳は、「彼岸へ渡る偉大な智慧の教え」。 この経題は、サンスクリット語を音写したもの(サンスクリット語の発音に近い漢字を当てた)。  それぞれの意味は、次の通り。    
摩訶(まか)=偉大な、般若(はんにゃ)=智慧(仏教での智慧は「空」の考え方を理解すること)、波羅蜜多(はらみった)=完成のこと(仏教では彼岸=悟りの境地に達すること、心=仏教の核心、経=糸で束ねたもの。.    
・「般若心経とは?釈迦の教えの真髄、心を豊かかにするヒントがいっぱい」、また、「般若心経ではすべ ての人が救われ、心豊かに生きるための仏の教え、「空」の考えが説かれています。    

「空」とは、すべてが移り変わるという「無常」と、あらゆるものは縁によって成り立つという「無我」の教えです。       

    

②練習帖・Aを読んでの感想        

・この「空」=「無常・無我」という解釈(意訳)は、この練習帖・Aを読んで初めて出会った解釈で、理解すると般若心経の内容がよく理解できると思っています。    
・般若心経の解説本は、山ほどあるといわれています。過去に何冊かの解説本を読んだことがありますが、「空」=「実体がないと」と訳されていて、よくわかりませんでした。練習帖・Aで「空」=「無常・無我」と意訳して、般若心経を読み解いていくことに感心しています。自分なりに納得しています。    
・「空」=「無常・無我」の視点で考えてみると、一歩距離をおいて別の見方ができ(最近では、これが習慣になっています)、心穏やかになるような気がしています。    
    
般若心経の内容については、別途記事にしてみたいと思っています。    
    
<参考> 練習帖・Aより      
般若心経は、お釈迦様(約2600年前インドで仏教を説いた)が説かれた教えを基に、お釈迦様が亡くなった後500年後に、その教えを受け継いだ弟子たちによってつくられたといわれる。    
サンスクリット語で書かれた原典中国の玄奘三蔵(602年頃~664年)が漢字に翻訳したもので、その翻訳版が日本に伝わり、広まった。    




写真1.左:練習帖・A、右:練習帖・B

写真2.練習帖・Aの一日分の頁です。般若心経276文字を31日分に分けて、
分割した(一日分)のフレーズに対し、その書写を行うようになっている。

写真3.練習帖・Aの一日分のフレーズに対する「解説」と「経ぬにヒント」
書写後にこの頁をよく読んでいます。




写真4.練習帖・B(お手本)と道具類



写真5.毛筆による写経の一枚目(2015年2月)
写真6.毛筆による写経57枚目(2017年2月)
お手本は練習帖・B、字体は「書写体」



















4 件のコメント:

  1. 私の机の目の前にも「ボールペン般若心経練習帳」、「ダイソーの般若心経練習帳」、「般若心経90の知恵」、「NHK100分de名著大乗仏教」を置いています。私の家は、日蓮宗で般若心経を唱えません。何で般若心経に引かれたのでしょう? 

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    1. 大学の時に(確か1年の時)買った般若心経の本を今でも持っています。中年になってからも、書店で般若心経の本がいくつもあって目立つので買っています。般若心経の本は、山ほどあるといわれていますが、書店で目立つので、単純に買い集めたというところでしょうか。
      遡ると、中学の英語の先生が、住職さんで「君たちは、落ち着きがない、坐禅をしなさい」といわれ、中学生のころから仏教に興味がありました。大学の時も弓道の先生が、禅寺で坐禅を修行されたとか、影響がありました。なぜか、潜在的に仏教に「ご縁」があるようです。また、般若心経は入門として、写経も出来ますし、取り掛かりやすかったというのも理由です。

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  2. あらためて「般若心経」についての解説を読んで、気付いたのですが、写経の1枚目の「元色」、57枚目の「無色」と違いがありますが、どのように解釈すればよいのでしょうか? 小生の「仏前勤行集」では「無色」と表示されていますが、何か特別に1枚目の「元色」の表現に意味がありますか? 写経は「心を込めて一字、一字」書かなければならないようですね。反省しています。

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  3. 細かいところまで見ていただき、恐れ入ります。この二つの写経は、お手本が異なります。「元色」と「元」と捉えられたようですが、この字は、天の字の払いの所を変えたような字で「无」(む)です。ネットで調べると、「无」は、「無」の「異字体(簡体字)」、(書体は明朝体)で、「む」と読み、意味は「無」と全く同じです。

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