今年の題材選択に逡巡していた時に、新元号の話題がテレビでながれて、新天皇即位の1カ月前に元号が決まり、その典拠が萬葉集の歌から選ばれたというので、大変興味を持ち、これを題材にしようと決めました。元号の典拠となった萬葉集の歌の解説は、NHKのテレビで公開されたものを採用しました。別の解説は「中西 進著」のものが有りましたので、参考に載せておきます。この掛軸の表装は「丸表装」と呼ばれるもので、作品の周囲の裂地(きれじ)が同じもので表装されています。
上の添付資料が「中西 進」著の萬葉集全訳注です。これもテレビで紹介されました。
2作目は、高校生の頃に学んだ「白楽天の長恨歌」の一節です。昭和から平成に変わるころ、私は北海道工場に勤務していましたが、この頃、石川忠久氏の解説で「NHK漢詩を読む」というラジオ放送が有りました。この中の「白楽天」の長恨歌を懐かしく聞いたことが有りました。その中の一節を「読み下し文」にして、カナ混じりの草書体で書いてみました。表装の形式は「丸表装」ではなく、天地(掛け軸の上部と下部)と作品の中間に「中廻し」と呼ばれる部分を切り継ぐ(つなぐこと)手法です。この長恨歌の一節の最初の部分をコピーして添付します。
このコピーは「長恨歌の最初の一節です」多分昔勉強したことが有ると思います。
以上が今回の投稿のすべてです。
新元号 令和 については勉強しておらず、投稿いただいた掛軸の書と解説で良く分かりました。掛軸の文字も力強く感心しました。表装の説明をいただきなるほどと思い、表装と一口に云っても奥が深いのですね。最初の作品の表装(丸表装)は非常に華やかで美しく、書が一層引き立つ気がします。素晴らしいの一語に尽きます。
返信削除過分に褒めていただき有り難うございます。表装の仕方にはいろいろありますが、丸表装では、縦長の作品では裂地(きれじ:布の部分)の長いのが必要になり(柱と呼ばれる両サイドの裂地の長さで決まる)、裂地購入の際金額が高くなります。中回しで天地部分(掛け軸の上と下の部分)を無地の裂地で作成すると費用が安く済みます。私の趣味もお金がかかるので、最近は少しごまかしの手抜きで費用の節減を図っています(内緒です)
削除一作目に、令和元号の典拠となる万葉集の歌を題材に取り上げたことは、時機を得た絶妙な選択をしたと感服しています。作品を評価する知見を持ち合わせていませんが、素人目で見て良く出来ています。紙面での全体のバランス、余白の取り方、文字サイズの変化等。この展示品を見た人は「欲しい!」と思うでしょうね。二作目の白楽天の長恨歌は文字数が多く書き難いと思いますが、そのことを微塵も感じさせない力作ですね。ギャルソン展では、単なる展示だけなんですか? それとも○○賞とか評価されるのですか?
返信削除さすがに大嶋さんらしく、指摘がすごいですね。文字そのものはへたくそですが、あまり気に留めていません(というよりこれ以上にうまくは書けないので)。何時も全体のバランスを一番重要視しています。見た時に全体のバランスが欠けないように、文字の配置に心掛けています。文字数と文章の配置が一番気を遣うところです。展示会は単純に仲間や友人に見て貰うのが目的です。賞はありません。中には上部の美術展に出展して「賞」を採る人もいます。
削除・書と掛け軸づくり、毎回感心して拝見しています。2作とも、力強さを感じました。実物を見たら素晴らしいでしょうね。
返信削除・題材「令和」はタイミングが良いですね。万葉集の歌の解説によれば、優雅で素晴らしい情景を想像します。
・ネットを見ましたら、「令和」についての「内閣総理大臣談話」の中に、歌のもう一つの解釈として、「この令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められています」とありました。こちらの方がピタリと来ると思いました。
貴兄はよく勉強していますね。「般若心経」にしても、「萬葉集」にしても、」また絵画のことも行く知っていて感心します。萬葉研究の第一人者「中西 進氏」によれば「令」についての解説で「ら行」で始まるのはいい、ら行音が美しいというのは常識です。と解説しています。「令」に玉編(偏では「王」と表記)を付けた「玲」は玉のような美しさを示し、立心偏の「怜」は心の美しさ表す。「令」とは善いという意味だそうです。よき振る舞いをする人が、令嬢であり令息です。と解説しています。安倍総理大臣の談話もそのような意味が込められていると思います。
削除誰か投稿をと思っていた時に、タイミング良く投稿していただき有難うございます。
返信削除メールしましたように、wordで書かれて、それを写真にしてこのブログに掲載された方法は、正解です。綺麗にまとまっています。読み易いです。
長恨歌は、習字の手本なしで自分流に書かれているのですね。
上手に書かれています。
横書きのWord文章は、ブログの書き込みページに貼り付けが可能です。
ただ、写真入りや、縦書きのword文は貼り付けが出来ません。
この様なword文は、保存する時、ファイルの種類を「Word文章」ではなく「webページ(.htm,.html)」で保存するとブログで表示される画面になり表示されます。
その、画面の上で右クリックし出てきたメニューーの「ソースの表示」をクリックするとhtml文が表示されます。これをコピーし、このブログの書き込みページを「HTML」表示にして張り付けるとをword作成のの投稿文が出来ます。この後、名前を同じにして写真は別に掲載が必要です。手間がかかりますね。要するに、Word文のページとブログのページは、同一ではないのです。
縦書きが入るので、今回の投稿方法が良いと思います。
長恨歌の一節は、読み下し文を自分流にアレンジして書いてみました。最近は草書体で文字を書くことはほとんどないので、崩し方を勉強して、何度となく練習して書きました。何度練習してもすぐに忘れてしまいますが、いくつかの文字は身について、メモを取る時などに役立ちます。ブログの表現の仕方を教えていただき有り難うございます。
返信削除しばらく雑事でブログへのアクセスができませんでした。この二点の書ですが、素人ながらますます格調高い雰囲気を感じます。野尻さんのように書道の素養を持っている方は、少なくなってきたように思います。昔から日本人は、漢籍や和歌から多くのことを学んできました。謡曲の内容からそれを感じます。来年から小学校で英語の授業が始まります。書道や短歌をみっちりやった方がよほどいいと思います。英語は中学校からでいい。素晴らしい作品を拝見させていただきありがとうございました。
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