透析のある日
私の場合 透析治療は月、水、金、の午前中 行われる。8時30分 朝 老人ホーム「ライフケアガーデン
熱川」を出て、 隣の病院の透析室に5分もすれば 到着する。 この点 誠に恵まれている。
「1」透析治療
そして入り口で体重と体温を測定され、ベッドに横になると すぐに 腕に針を刺すことから始まる。
ビニールチューブが連結され、血液が流れます。針を刺す時が一番緊張します。
1日3.5時間の決められた治療は盆も正月もなく決められた通りたんたんと行われます。今年は元旦から治療は行われました。病院全体は正月休みで照明がおとされ薄暗いが、
透析室は照明が煌々として別の世界でした。
透析機器のモニターです。いろいろな項目がありますが、それ程複雑ではありません。大体の情報は
網羅されていますが、入り口で測定した体重は別に記録されます。上の方の除水量設定 2.4 liter に
注目しておいて下さい。
「2」体重と除水
血液透析記録
体重にもいろいろあって確認の意味で 今少し言葉を補い整理します。
前回の透析後の体重 ( 65.9kg )
今日の透析前の体重 ( 68.2kg )
今日の透析後の体重 ( 65.9kg )
DW ドライウェイト ( 65.8kg )
目標体重 ( 65.8kg )
除水量 ( 2400cc ) です。
DW ドライウェイト は耳慣れない言葉ですが、 この DW の概念を理解しておかないと前に進めませんので 今少し詳しく説明します。
飲食で体に入った水分や活動によって体内で産生された 水分のうち不要な水分は主に腎臓で作られる 尿によって老廃物と一緒に体外に排出されますが、体の水分を一定に調整しているのが 腎臓です。 腎臓が働かないと余分な水分を尿にして出すことができないので透析治療によって 余分な水分を体外に排出するのです。 ドライウェイトというのは不要な水分を透析で抜き終えた体重のことです。 もっかの透析の終わりに目指す目標体重のことです 。 このドライ ウェイトは 医師がある情報をもとにして決めます。 (決め方は別の機会に説明します。)
腎臓が悪いと尿に出るはずの 体に不要な水分が 体外に出なくなり、血管内に溜まります。 血管内に溜まると血圧の上昇 手足や顔にたまると むくみ 肺や心臓ににたまると呼吸困難に陥ります。
ここで注目すべきは 除水量 2400cc ということです。 これを具体的に言うと 今日はあなたの体から2400cc の水分を取り去りますよ。ということです。 つまり 意気込みを示しております。
2400cc と言うと大きなペットボトル1本よりもさらに多いですね。重量で2.4 Kg です。これだけの水を あなたの体から取り去りますよ という強い意思表示です。 しかし、減量しても翌日には体重がおおよそ 2.4Kg 復元して一定の体重を維持することになります。
すなわち, 除水量の決め方は
(今日の)除水量(x) =(今日の)透析前体重 - DW
X = 68.2 Kg ー 65.8 Kg = 2.4 Kg ➡ 2400cc
となります。この数値がモニター上でインプットされます。
「3」体重の推移
透析後の体重推移グラフ(今回の目玉です)
(註)縦軸の目盛は直接の体重ではなく 測定体重ー65Kg です。3-1)昨年8月末、熱川で透析を開始してから今日までの体重の変化です。
この減量期間に改善されたことは
1) 肺に溜まった水がなくなり、呼吸困難が解消し 酸素吸入 も 中止出来た。( 10月25日以降)
2 )体が軽くなり 車椅子から立ち上がるのも楽になりました。
3) 顔、 手足 のむくみがなくなり, 体全体が細くなりました。
嫌なこと
1) 透析時間の延長 3.0 時間 ➡ 3.5時間 (2023-10-6 ~)
老廃物の除去が十分できていないので 延長されました。 私にとっては辛いことです。
「4」新 ビジネス(起業家への夢)
これだけ ドラスティックな減量を自分で経験して思いつきました。 世の中には肥満に苦しんでいる人がたくさんいる。 この人達を対象に 透析技術を応用して減量を目的とした、エステティックサロンを開業するのです。 何しろ 確実に減量できるのですから繁盛間違いなしです。 そこで この考えを何人かの人に話してみたところ
A さん : ダメだよ、 人間は自然が一番美しいんだから。(強い 反対)
B さん :この人は何をバカなことを言っているんだろう。(と取り合わない)
C さん :駄目だよ。シャントができていないんだから。( 不可能なことを考えるなよ)
D さん : うーん。 いいね、 そんなのがあったら行きたいね。( 内心 信じてない 顔つき)
E さん : ダメダメ。 みんな脱水症になってしまう。( この人分かってない)
私の起業家になって、億万長者のへの夢は消えました。 正解はEさんです。(なぜでしょう?)
(註)起業家への夢はフィクションです。
*** おわり ***
体重減にはびっくりしました。肺にたまった水、むくみの減少と食事で減量ですか。狐につままれた思いです。まだ、充分に理解していません。
返信削除私には足のむくみがります。・・・これから朝だけ安い卵などの買い物です。行ってきます。また、読み直します。
買い物に行ってらっしゃい!足のむくみは一度腎機能の検査をされてはいかがですか?貴兄は塩分摂取には以前から厳しく気を使っておられましたから塩分の方は問題ないでしょう。体重は如何ですか?お互いに健康に注意しましょう。買い物に行けることは素晴らしい事ですね。コメントありがとうございます。
削除DWの概念が朧げに分かりました。体が浮腫んできたら来たら腎臓障害を疑って見る必要がありますね。酸素吸入器が取れた理由も分かりました。
返信削除週3回大変重要なことに取り込んでいることが良く分かりました。前回のコメントで、透析を点滴治療位に理解していたことが恥ずかしいです。点滴では血液ポンプは心臓のみですが、透析では心臓の他血流ポンプが血液循環路に加っています。条件次第では心臓に余計な負担をかけるんだなと勝手に判断しています。透析している間に新規事業を想起するなど素晴らしいじゃないですか。それだけ元気を回復した証拠だと思いますよ。正解E.の理由は、腎臓が正常なら水分は適当ににコントロールされていりからでしょうか?次の投稿待っています。
丁寧なコメントありがとうございます。新ビジネスの話は落語のおちみたいなものですが、理路整然と回答できる人も少ないようです。Eさんが正解の理由は、肥満の人でも腎臓は働いて、尿として水分を排出しております。それを腎不全として更に除水するので、著しい除水過多となり、脱水症になってしまう。ということでしょう。言い換えれば貴兄の答えが正解でしょう。今後DWの決め方やクレアチニンなどについても書きたいと思います。宜しくお願いします。
返信削除まず、透析という医療システムを考え出した人は、何かすごいですね。うまく表現できません。前のコメントの繰り返しになりますが、この緻密なレポートは、石井さんのどこから出てくるんでしょうか?この透徹した心境は、どこかの高僧のそれと同じだと思います。 安楽岡弘久
返信削除何かすごいコメントを頂きありがとうございます。 おっしゃる通り しっかり確立されたこの医療システムを最初に考え出した人はすごいですね。 次のステップとして、この人工透析システムにとって変わる楽な治療システムを考えたら、ノーベル賞物と思います。 今後も ブログ よろしくお願いします。
返信削除週3回の透析を行わなければ生命維持が出来ないわけですが、これほどに冷静に透析について分析出来る貴兄の頭脳に感心していま。
返信削除ぼんやりと 治療を受けるより、少しでも理解しながら治療を受けた方が良いと思っています。 健康な方々には退屈な内容かもしれませんが、 これからもよろしくお願いします。 コメントありがとうございます。
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