2016年9月14日水曜日

暮らしの手帳と私・・・・とと姉ちゃんを見て

1.「とと姉ちゃんと商品試験」

先月、NHKの「とと姉ちゃ」んを見ていたら、主人公が商品試験をする企画を思い立ち提案する場面が出て来た。
私は、京都の会社に入社の昭和38年の翌年39年(1964年)に「暮らしの手帳」を買い始めた。
何が私を引き付けたか、それは科学的な商品試験の記事があったからである。残念なことに、2007年2月1日発売、第4世紀26号より、編集長交代と同時に、本誌の名物であった商品テストの記事を人手とコストが掛かるなどを理由に、同号を最後にして中止した。

今思えば惜しい気もするが、残してあった多くの雑誌、「暮らしの手帳」と「レコード芸術」の殆どを断捨離として5年前に捨ててしまった。

さて、写真の2冊、
暮らしの手帳3世紀の16号(1988年10,11月)と30号(1991年2,3月)だけが残っている。発行号数は100号ごとに「第N世紀」と区分されているが、これは初代編集長・花森の「100号ごとに初心に立ち返る」という意味合いが込められている。
それでは 、16号の中から商品試験の1部を紹介する。
「新しい浄水器をテストする」という記事が掲載されている。
これは、自分の家でどうするか考えていた時のもので、本を残していたのだろう。
左の写真のページには、11社の製品をテストしている。
マイクロフィルターを使用することになり、浄化性能は向上したが、日時が経過するとばい菌が出てくる。定期的にフィルターを交換しないといけなく維持費が大きい。


「いつでもどこでもおいしい水をのむために」と最後の頁に幾つかの提言をしている写真の●2項目には、浄水場でもっと効果のある処理をすれば可能である。・・・行政も、もっと本気になって、・・・具体的に検討し、解決の方法を真剣に努力すべきだろう。と書いている。
今では、水道水を販売する都道府県も出てきている。
●最後に、水道水のもとの水は、川や湖である。・・一人一人が汚さないように注意することも、非常に大切なことである。と結んでいる。



左は、ベルト式自転車が発売された時に掲載された商品試験の記事である。
踏み込む力の測定などの色々なテストと使用者のアンケート調査で、「ベルト式自転車はいらない」と結論付けている。
今は、製品として残っていないと思う。

冷蔵庫を買う時に、「暮らしの手帳」の記事を見て、東芝の直令式を買った。意外と東芝製の成績が良かったと記憶している。
対流型暖房機は、記事の結果を見てアラジン製を買って、長く使った。


左は、「エビの中の抗生物質」と題した記事である。
5匹に1匹のエビから抗生物質が検出された。
最後の2ページでは「なぜ抗生物質がは入っていてはいけないのか」と言う記事で、副作用と耐性菌が出来ることをアメリカで起こったサルモネラが広がった例で説明している。

最後のページは、「きちんと検査し、きちんと公表する。そして、健康を損なうものを使わせない、それが<国>というものだろう」と長い題名の記事が掲載されている。


表紙の裏に書かれた言葉、読んでみて下さい。これが暮らしの手帳です。

2.「木綿とちりめん」


写真は暮らしの手帳の93号、発行 昭和43年2月1日である。
昭和43は、就職で京都に来てまだ5年目で、土地柄に馴染めない時期だった。
この本の中の1つの記事に共感し、それをコピーしてつい最近まで残していた。

それは、犬養道子さんの「木綿とちりめん」と言う連載の随筆だった。そこには、関西(大阪)に住んで気付いた関東(東京)との違いについて書いてあった。
木綿が関東で、ちりめんが関西である。(以下、記憶なので正しき表現でないとこもあるかもしれません。)
その記事の核心は、関西に暮らし始めて、ご近所の女性の方からやんわりと「裸足は涼しくて良いですね」と言われて飛び上がるほど驚いたと言うことです。
実際に、裸足で部屋内を歩き回っていたのだが、それをどうして知ったのか、家の中を覗かれているようで、怖くなって慌てて東京へ戻ったというようなことが書かれていました。

題名通り、木綿でさっぱり(あっさりの)東京と、ねっとりの大阪、京都の違いです。
学校を関東で過ごし、関東人のあっさりに心地よく思っていた私は、この思いに共感した。
関東は、落語で、関西は、漫才。関東に居た時は、何で当たり前のことを言って笑っているのかと漫才を面白くなく思っていました。

でも、今は、全く落語を聴きません。逆に、まどろっこしいのです。
関西に馴染むのに10年~15年かかったかも知れません。
それで、今は、すっかり関西人であると自分でも思うこの頃ですが、最近、関西に疲れる時があります。
何故でしょう?年のせいでしょうか。







9 件のコメント:

  1. 「暮らしの手帳」は知っていましたが、注意深く読んだことはありません。商品テスト記事中止は残念ですね!私はネットで品物を購入することが段々多くなりました。リピートで購入するには便利ですが、自分に初めての商品を買って時々失敗し、反省してます。imasanの詳細な投稿記事に感心しており、最近の「暮らしの手帳」はどうなのか図書館で読んでみます。

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  2. 読んでいただき有難う。最近の「暮らしの手帳」には、商品試験はありません。
    今は、商品の見極めが難しいですね。カカクコムの口コミを見たりしています。
    「暮らしの手帳」の商品試験は、先を見据えて書いていることが凄いです。
    日本家電の凋落は、商品テストがなくなった頃からかも知れません。

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  3. 朝ドラと連動した記事でよいタイミングですね(朝ドラは毎回見ています)。記事の内容にも感心しました(私は、「暮らしの手帳」を読んだことがありません) やはり「もの作り」(何事も)は、先の野尻さんの書にあった、「凡そ事を作すには 須らく天に事ふるを・・・」の心ですね。また、「お客様は神様です」という言葉も思い出しました。
    関西と関東の食文化や性格の違いなど興味がありますね。私の生まれてからの生活圏は、静岡より東ですから、関西と関東の違いを実感したことはほとんどありません(関西と関東の境は、静岡の浜松あたりであるという説があります)

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  4. 「暮らしの手帳」懐かしいですね。メーカーはJIS や社内の評価基準で試験するんですが、私が担当する商品は、耐久性や性能評価では自信がありAクラスでしたが、利便性や使い勝手では想定外の仕様で評価されてBやCにランクされたことがありました。それ以来「暮らしの手帳」を意識しましたね。そして、プロダクト アウトからマーケット インにスタンスを変えました。
    関西と関東の食文化の違いについて経験があります。会社の独身寮は学卒だけが入寮する寮で、関西系や関東系が一緒でした。食事は食堂で摂るのですが、ある時おかずとして天婦羅がでました。関西系が「ソースはどこだ」と叫ぶと関東系は「醤油はどこだ」と叫んでいました。因みに静岡県は「ソース」の人もいれば「醤油」の人もいるようです。丁度文化の交流点かも知れません。
    食文化ではないのですが、頼み事をした時「検討しておく」といわれたら、関西系の相手なら期待しない方が良い様です。経験から・・・

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  5. 豊島様の何事も「凡そ事を作すには 須らく天に事ふるを・・・」の心は、暮らしの手帳では、物事の本質を追究することで、「お客様は神様です」は、顧客満足ですね。教えられることが色々あります。

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  6. 大島様は、商品開発で「暮らしの手帳」を意識されていたのですね。
    この本で、沢山の商品テストの結果を読みましたが、良い評価の1番は、東芝製が多く、2番目は三菱製でした。それで、京都で下宿していた昭和40何年に「東芝けい光燈明視スタンド」を買って、今も時々使っています。

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    1. imasan
      東芝製品をご愛用くださりありがとうございます。
      初任給で東芝の扇風機を両親にプレゼントしたんですが、その両親はあの世に旅立ちましたが、扇風機は今も健在で役立っていると実家から聞いています。モーターの絶縁体が抜群のようです。

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  7. 写真技法の質問です。上から2番目の暮らしの手帳16&30号の表紙の写真のバックがまっ黒(他も同じ)ですが、何の目的で、どのような方法で撮影したかのか教えてください。imasanの読者への深い思いやりがあるのでは?

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  8. 実は、紙面の写真を撮るのに苦労しました。夜に、LEDシーリングライトの下で撮ったのですが、紙面を照らすライトの光が映り、全体が綺麗に撮れませんでした。
    それで、色々試してフラッシュで撮った気がします。
    下は、机です。紙面だけ明るくなるようにしたので暗く写っています。

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