一般的に腎臓の働き(腎機能)を見るには血液検査で血液中にクレアチニンが
どれだけ残っているか検査して、逆に腎臓がクレアチニンをどれだけ濾過でき
たかを判断することになります。わたくしは末期的な透析患者であり、
腎臓は働いておらず、透析機器が腎臓の代わりをしています。私の透析機器の
働きを見るために、透析治療開始直前と終了直後にそれぞれ血液を採取し、
透析前後のクレアチニン量で透析機器の働き具合を判断することになります。
透析器機の働きが悪く、クレアチンを計画どうり濾過できなければ透析時間を
延長したり、血液流量を増やしたりすることになるかと思います。
「クレアチニン(CRE)」
クレアチンは筋肉活動の老廃物で、健康な場合主に腎臓から尿として排出されますが、
腎臓の機能が低下すると体内に蓄積して血中濃度が上昇するため、腎臓の機能状態を
評価するための指標として用いられます。
「eGFR」
eGFR は Estimated Glomerular Filtration Rate の略で、日本語では推算糸球体
濾過量と呼ばれます。これは血液検査で得られる血清クレアチニン値や年齢、性別
から腎臓の働き(糸球体の血液濾過能力)を推定した数値で、慢性腎臓病の診断や
重症度分類に使われる重要な指標です。(eGFR の計算方法は省略します)
「1」クレアチニン(CRE)と eGFR の推移
表1
月別クレアチニン(CRE)とeGFRの推移
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a) 私の場合 月初めに透析直前、直後の血液を採取して検査します。
上の表は過去一年間の血液検査によるクレアチニン量とそれに基ずき
eGFR を算出したものです。
b) eGFRは 年齢や性別、その他の条件を 加味して算出します。慢性
腎臓病の診断や重症度分類の 判断指標として使われます。
c) クレアチンの基準値と単位:0.61-1.04 mg/dL eGFRの単位:mL/min
グラフ1
グラフ2
グラフ1およびグラフ2は表1をグラフ化したものです。
慢性腎臓病の診断や重症度分類の判断は、クレアチニン数値に
年齢、性別、その他を加味して算出した eGFR で行います。
「2」腎臓病の重症度分類基準
表2
重症度は上の6段階に分類され、数値が小さいほど重症であります。
「3」私の重症度
現在の私の場合、透析前が平均 4.2 透析後が平均 12.2 で eGFR 区分は
G5 で、透析治療で一生懸命頑張っても G4 には届きません。つまり
苦しい思いをして透析治療を受けても末期的腎不全状態を脱する
ことはできず、末期的な状態のままやっと現状維持していると言えます。
「4」過去15年間の状況
表3
過去15年間のクレアチニンのデータからeGFRを算出しました。
グラフ3
表3をグラフにしたものです。青色のクレアチニンは参考で、オレンジ色の
eGFR に注目してください。2010年以前にはそこそこ健全な腎臓でしたが
年を追うごとに eGFR は下がってきました。その間かかりつけの医師からは
クレアチニンに注意するように何回も言われました。しかしこれと言う手立ても
せずに、2023年7月に呼吸および歩行困難に陥り西伊豆病院に緊急入院
して特殊な応急透析治療をしました。そこで血管の手術などをして通常の
透析治療が可能になったので、老人ホームに入居し、同時に熱川温泉病院で
通常の透析治療を受け始めて今日に至っております。
現在は末期的腎不全の状態ですが、透析治療を1週間に3回受けることによって
グラフ2のごとくeGFR はなんとか平衡を保っております。もし透析をやめれば
eGFR はたちまち右肩下がりになり、一週間の命でしょう。
透析治療はつらく、そして憂鬱な治療です。
どうか皆様、物言わぬ臓器 腎臓を労り、血液検査に
関心を持ち、クレアチニンについてしっかり注視する
ことをお勧めいたします。
以上
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