私がここ 熱川温泉病院で透析治療を受け始めて1年が過ぎました。 最初は車椅子から立ち上がるのもやっとでしたが、現在は自力歩行で隣の病院まで通院できるまでに回復しました。これもH先生 及び 透析室 スタッフの皆様のお蔭、そして老人ホームの多くの職員の方々の手厚いサポートのお蔭、と感謝する日々です。 透析治療中の様子を動画でご覧ください。(拡大は右下の四角をクリック)
さて、 今回は血圧に限定して記述します。 血圧は万病の医学的に重要な管理項目で、透析治療でも同じです。治療中に何回も血圧測定して 極端に下がると、スタッフは気分が悪くないかと心配してきます。 しかし 血圧は何に基づいて変動するのか非常に 分かりにくくて、時には本当に 気まぐれと思うことさえあります。 そこで私なりに自分の考えを交え 実測値 を使って考察してみました。
「1」血圧の測定方法
測定時間、 場所、 状況、などによって血圧の測定値が異なるように感じたので、
次のように測定区分を決めました。
よく言いますが、それは 測定者の感触に過ぎません。 1回1回の測定値で一喜一憂するのではなく、やはり 集団として、平均値及びバラツキをしっかりと見ることが重要です。
そこで 先月 8月のデータをまとめた表を下に示します。
ここで、血圧(上)の平均値では② 朝食前の145が一番高くなっています。 次に透析治療で重要なのが③透析前 及び ④透析後の血圧です。次にバラツキについてみますと、全体的に大きく振れることもなく、 問題ないものと判断します。
一方患者が血圧が異常と感じて、症状として胸が苦しい、冷や汗が出る、などと気分が悪くなるということが無ければ、そこそこ 適正な血圧であるとも言えるでしょう。なぜなら 患者のいろいろな条件によって血圧は変わるもので、一律にこうだと決めつけることもできないと思います。体に異常をきたす 血圧の限界値は人それぞれによってある程度 異なる、ということも 強調したいところです。
「3」血圧の傾向 血圧が、上がり気味 下がり気味 あるいは横ばい状態 か見ることは非常に重要なことです。 そこで 月別に 血圧(上)(下)の平均値をまとめてみました。
ここで作業を簡素化するために重要である ② 朝食前、③ 透析前、及び④ 透析後、に限定して(上の表の黄色い部分)グラフを書くと下のようになります。
6月➡8月にかけて 右肩下がりで、基準値に向かっているので、 しばらくは安心であると自信を持って 言うことができます。
血圧(下)も同じような傾向をしていますが、詳細は省略します。なお、私は現在血圧の薬は服用していません。
「4」血圧の基準値
基準値と言ってみたり 正常値と言ってみたり 混乱しますが、 要は推奨される 血圧値のことです。インターネットで調べると下記のように書かれています。
血圧の正常値と血圧の測り方
高血圧の基準は家庭血圧で130/85 mmHg 以上、診察室血圧では140/90以上と定義されています。 一方で正常血圧の定義は家庭血圧で115/75以下、 診察室血圧で120/80とされています。
さらに血圧は 年齢、男女の性別、によっても異なってくるとも言われています。 こうなると非常に複雑になるので 私は下の図を参考にしています。
「5」結論
血圧は非常に複雑で、気まぐれだと思います。 従って 毎日 測定 記録する習慣をつけて、一喜一憂することなく、一定期間を母集団として把握するしかありません。 具体的に 平均値、バラツキ、 そして 傾向、を見ることが最も重要と考えます 。
「6」終了
やれやれ、透析治療 3.5時間の拘束時間が終わり ベッドから降りるところ。 2000cc 以上の水分を体から抜かれ、目が落ち込んだ情けない姿ですが、 嬉しい瞬間です。
これで1~2 日の安息日が、そして1週間の命が、もらえたのです。 もし透析をやめたら1週間の命と云われてます。 何でこんな病気になったのか 悔やまれますが、
後悔先に立たずです。
**** おわり ****